2009-01-01から1年間の記事一覧

逢空万太『這いよれ! ニャル子さん』1〜3

うむ、這いよりたまえ。存分に這いよるがよいぞ。と思ったが本篇にクローリングする描写なんてあったっけ。ああ、アレか。夜這い。 ところでニャル様といえば「這い寄る混沌」であり間違っても「這いよる混沌」などとは表記されないのだが何故に「這いよれ」…

ファーストキッスはシュリュズ・ベリーの味

禁書19巻を読むにつけ、それは確かに法の書だけどラブレーにも言及しろよ、と思う今木ですこんばんわ。むしろいちいち法の書とか書くな。かまちーの付け焼刃感は異常。マスターテリオンとか言いつつクロウリーのクの字も出さないとか、そういうのがいいんじ…

杉井光『さよならピアノソナタ encore pieces』

時はすべてを癒す。ナオと真冬がひっついてしまえば、女の子二人と男の子一人が失恋する勘定になる。だが恋が成就しなくても人は生きてゆける。愛してその人を得るのは最上だが、愛して得られないことはその次によい。別に? 好きなものは好きだから好きでい…

『Fate/stay night』

・セイバールート BAROQUE。歪みを抱えたまま突き抜けましょうふたりで。 あるいは井上陽水「あこがれ」。むろん竹田青嗣『陽水の快楽』的な意味で。憧れの対象は現実には存在不可能であり決して手に入らないが、だからといって憧れそのものまで否定さるべき…

『Fate/stay night』

音楽というか音がたいへんによろしい。アニメ先に観ちゃうと原作の音のショボさに泣けてくる。「運命の夜」はわりと脳にこびりつくレベル。 あと士郎とセイバーのぎこちなさとかそれだけで死ねる。でもアヴァロンの解説はそうじゃないだろ英雄王。

虚淵玄『Fate/Zero』

昔mixiに書いた感想の焼き直し。ちなみにタイトルから内容に至るまでhttp://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/kaien/20080906/p2のパクリ。 夜叉姫伝をヌルくした感じ──というかナスキノを陰惨淫靡方面にシフトして人情バナ強化、なんてのは単なる菊地秀…

人間的、あまりに人間的な

今日はFate感想三連発。

うえお久光『ジャストボイルド・オ’クロック』

桂英澄の「箱根の太宰治」(『太宰治研究』1、昭三十七・十)によれば、昭和十七年夏、桂が太宰を訪れた折に聞いたことばとして、次の一文が草されている。〈芭蕉は、わび、さび、しおりといっただろ。最後に、「軽み」ということをいったんだ。新しい芸術の…

せっかくなのでお蔵出し。発売当時に書いた感想↓

うえお久光『紫色のクオリア』

とりあえずメモ。 ありえないことに、ヒジョウに真面目(と書いてハードボイルドと読む)。いや「ラブレターズ」があったか。しかし俺らのうえお久光の美質は、あのジャストボイルドな感じではなかったか。別に作風を固定すべきだとは言わないが。その意味で…

行ってみるしか、あらしません

というわけで嵐山というか化野に行った。栗本薫が『滅びの風』のあとがきで引用していた西行の歌は、化野念仏寺の看板に大書されてある。まあ普通に観光地である。少し奥へ行くと愛宕念仏寺があって、そちらは趣きがある。個人的には不気味さがまさった。白…

ちなみにこの日は『円環少女』10巻を読みつつ上映までの時間殺しとした。これ以上に充実した一日は稀であろう。

ヱヴァ破みた。 生きててよかった。

生るるに時があり、死ぬるに時があり……

僕らのフェイカー、栗本薫が死んだ(いつの話だろ)。 草の葉ごとにすがる白露、という西行の歌を栗本薫/中島梓は好んで引いていた。他にも「伝道の書」の「生るるに時があり、死ぬるに時があり……」であるとか、『歎異抄』の「慈悲に聖道、浄土のかはりめあ…

誰とてもとまるべきかはあだし野の草の葉ごとにすがる白露

冬樹忍『たま◇なま 〜キミは、何故生きている〜』

最終巻。どうかお幸せに、という以外に言うべきことはないように思う。あるいは、僕は素晴らしいラノベを読んだ、と友人たちに伝えてください。 わたしはおまえに人間にしてもらった、だから感謝している、とあの鉱物娘がいう。数万年を生きる恒久を、ちっぽ…

杉井光『さくらファミリア!』3巻

神様でさえ理性には束縛される、とブラウン神父はいった。より正確には、地上においてただ教会のみが、神そのひとでさえ理性に束縛されるのだと主張しうる、と(ブラウン神父の童心)。君らの神の正気は一体どこの誰が保障してくれるのだね? 教会に決まって…

清水マリコ『HURTLESS/HURTFUL』

えーと、『男であることの困難』(小谷野敦)? ストーカーを救えるのは文学だけである、と小谷野敦はいった。 レイプ犯が救われる話、と聞くと嫌でも連想する。救えぬ者だって救ってみせるのが文学です。 清水マリコの男の子はどうしようもなく可愛い。女体…

観鈴ちんの風下で

くつしたについては縁なき衆生なのですが、観鈴ちんの風下で、というフレーズがいたく気に入ったのでリンク。 もちろん本編では二回反復される重要なシーンである。ちなみに納豆きらきらといえば川澄舞、というのはさておき。 【往人】「出会ったときも、そ…