清水マリコ『HURTLESS/HURTFUL』

 えーと、『男であることの困難』(小谷野敦)?
 ストーカーを救えるのは文学だけである、と小谷野敦はいった。 レイプ犯が救われる話、と聞くと嫌でも連想する。救えぬ者だって救ってみせるのが文学です。

 清水マリコの男の子はどうしようもなく可愛い。女体に惑わされる男の子はどうしてかくも可愛いのか。とか言ってると可愛いじゃ済まないことにならなくもないのですがまあよい。
 ラノベっぽかった。そんなに児童文学っぽくなかった。
 男の子のなかの乙女回路、って今更もいいとこだけど、このネタばかりは馴れることができない。死にそう。俺も女の子になって好きな人にエッチなこととか言われてえよ! じゃなきゃエロゲなんてやってねえよ! とらハ2の初音視点とか最高だよ!
 欺瞞と我儘と自分の都合だけで他人を傷つけるのが女の子の属性だ。女の子とは自分の幸せしか考えない生き物で、男の子は女の子の幸せを第一に考える阿呆である。だから健気な女の子なんて、男の子のなかのアニマとしてしか存在しない。蓉さんなんて死ねばいいのに。あんたずるいよ。許せないよ。でも嫌いになれないよ畜生。
 そんなわけで複雑です。複雑、というのは無論誉め言葉です。
 それはそうと脱子とえろいことしたい。というか、好きな人にエッチなこと言われるのすごい嬉しい、とまで言わせておいて! なんでエロゲーじゃないんだこれ。