2004-12-01から1ヶ月間の記事一覧

http://d.hatena.ne.jp/otokinoki/20041222#p1への言及(id:imaki:20041223)について。「作品名と時代状況を関連付けて語る、という行為がそもそも疑問だったりしますが」と書いたあたりはちょっと筆が滑った。例えば、明治三十年代に『金色夜叉』『不如帰…

『神無月の巫女』、「AICロボットアニメ」(その2)

例えば初代マクロスあたりは「快楽要素の寄せ集めただけ」みたく東浩紀に言われたりするけれど、現代の我々には単に真面目なSFアニメに見えかねない。つまりそこには、何故にアイドルソングと宇宙戦争が不可分であるかの説明があったし、地球人にとってあり…

神無月の巫女、「AICロボットアニメ」

クリスマス・イヴである。イヴといえば『ヤミと帽子と本の旅人』である。イブだったかもしれない。そしてヤミ帽といえば百合であり百合といえば『神無月の巫女』だ。というわけで神無月の巫女(アニメ版)の話を書く。 ネット上で感想を見て回ったのだが、「…

虎はもともと強いのだ(『花の慶次』)

http://d.hatena.ne.jp/otokinoki/20041222#p1 まあ、いずみのさんのところ(含コメント欄)でだいたい言いたいことは言われてしまっているのですが。コメント欄に書き込もうとも思ったけど、記憶に頼った話ばかりなのでこちらで。 けっこう以前にも、ハリポ…

岡田剛『ゴスペラー 湖底の群霊』(ソノラマ文庫)

http://www.asahisonorama.co.jp/hp/bunko/bottom.htm 端的に言ってハックルボーン神父がシックスセンス、十三歳の少女の日記つき。あと、『ニキータ』とか『レオン』が好きな人向け。マッチョで朴念仁な神父さんが勝気な女の子に振り回されたり生きることを…

『D〜その景色の向こう側〜』

僕は生まれつきお酒が好きだ。 夜空も好きだ。 「僕」はある時、ふいに夜の雪原をゆく列車の最後尾のデッキに立っている自分を発見するのだけれど(なんて魅惑的な導入なんだ)、いきなりこんなことを言う。もちろん自分でも、なぜ記憶もないくせにそんなこ…

坂口安吾『堕落論』(角川文庫)

またぞろ「不良少年とキリスト」ばかり読んでいる。よく考えるのは、あまりよい趣味とはいえないかもしれないが、たとえばの話、こいつを読んでいい気になっているときに、実際に知人の訃報が届いたらどうだろう、とかそんなことだ。それこそフツカヨイ的か…

めった斬りブックガイド既読調査

43項目でした。 001 (1977-p121-d),《クラッシャー・ジョウ》高千穂遙(1977〜) 003 (1980-p122-d),《ダーティペア》高千穂遙(1980〜) 004 (1981-p123-d),《星へ行く船》新井素子(1981〜1992) 006 (1982-p125-e),《銀河英雄伝説》田中芳樹(1982〜1988…

山名沢湖『白のふわふわ』

やっぱりピンと来なかった。刺さるイメージには事欠かないのだが、話のまとめ方か語り口のせいか、どこかはぐらかされたような気になる。あるいは形になりすぎている(「電話線」「夏休みが待ち遠しい」を除く)。こういうのって勝手な言い草だとは思うけど。…

山名沢湖『スミレステッチ』

回りながら下校したか? ならば「ホシスミレ【プリティー・ティータイム】」へと進め。回転こそは幸福への道だ。 実を言うとほとんどの話はピンと来なかった。ただ「勇者レティシアの冒険」がツボ。自分のことというのは少しもリアルに感じられなくて、だか…

山名沢湖『委員長お手をどうぞ』

内容もさることながら、各話の扉が幸せ。サブタイトルも素敵。好きなのは学級委員と美化。詩吟でワルツをアン・ドゥ・トロワ。まるく・くるりと空ぶき雑巾でスケートを。私が誰で何なのか、このままでいいのかいけないのか、わからなくなるまで回れ回れ。そ…