『とある魔術の禁書目録』#19

 ……にかこつけた、アクセラレータの話。
 わっふー! とうとうぼくらの一通さんが主人公ですよう!
 罵倒と殺戮によってしか他者と繋がれなかったアクセラレータにも、「その時」は来る。罰であり赦しであり運命の女、ラストオーダーとの出会いが。
 それにしてもあれだね、罰と赦しと救済と人生の目的がオールインワンの存在が全裸幼女の姿で光臨する、というのはどうよ。最高。
 だが赦されるどころか感謝までされるのはひどい。なにしろ彼は他者の好意に馴れていない。弁護され肯定されあまつさえ気遣われてしまう、というのはもう最悪の呪いだ。または、たかだか邪気のない声をかけられた、ということだけでそいつのために死ねそうな彼は、涙が出るほどいいやつである。だから彼は救済されねばならないし、愛することを学ばねばならない。ラストオーダーと一緒にメシ食ったり風呂入ったりしてろよ一生。
 
 すでに一万人を殺しているからといって、一万一人目を救ってはいけない理由にはならない。人が過去の虜囚でないならば。そして、それを為すべき任意の誰かが必要だというのであれば、それが彼であっていけない法はない、という理路はもう肯定するしかない。