喬林知『今日から(マ)のつく自由業!』ほか

 とりあえずシリーズ三巻まで。
 せっかくだから女の子向けの異世界トリップものもチェックしておこうと。
 文句なく面白い、読める。面白い、ってのはつまり笑えるってほうの。
 主人公がというか作者が野球マニアらしく、異世界で誰かと出会うたびにいちいち「理想的外野手的体型」とか描写するのがよい。てか野球超重要。ちなみに主人公は野球少年で、野球部の監督をぶんなぐってしまって、それで野球をやめちゃったんだけど、といった感じ。
 周知の通り主人公は異世界「魔王」として招喚されてしまったわけで、そしてさまざまな決断を強いられるんだけど、そのたびに参照されるのが野球の記憶である、というあたりが妙にツボでした。ちなみにポジションはキャッチャー(元)。
 少しネタばらしをすると、異世界で一種の「共通言語」となりそうなのが実はその野球だったりする。いささか極端な連想を許していただければ、私は
http://www.k-hosaka.com/nonbook/toki03.html
を思い出した。
 なんとなくこういうのは、例えばサッカーではダメな気がする。少なくとも私には、野球には奇妙な普遍性があるような気がするのである。たぶん日本人であるせいだろう。

 あと、ヴォルフラムくんが大変なツンデレでした。婚約者とかゆってるし! というか美形のお兄さんたちにモテモテで、なんかこういうのは基本ですかというか予想通り。

 視点とかそのへんはまあ、言わぬが花か。