なのはさんの動機について、とか。引用メインで。
《きっかけは、きっと偶然でした。だけど、いろんな偶然をいくつもかさねて、その中から、自分の道を、まちがわないようえらんでいって、みんな、そうやって過ごしてゆくものだと思うから。
 偶然ではじまったこの日々も、だからわたしは、まちがえずに進んでいきたいと思う。自分の意志で。自分の、思いで。》(#5)
《手探りで進んでいく道が、本当に正しいのかどうか、迷うときもきっとあるけど、立ち止まらずに駆けぬけた足跡は、きっと自分の「これから」につながっていくはずだから。》(#7)
《迷いの森を進んでいく、想いを照らす小さな光は、きっと、心の中にある。信じて進むと決めたから、行く先が、たとえ暗闇の空でも。》(#8)
《ただ少しだけ、いつもと違う時を過ごすこと。それは、これから先、自分らしくまっすぐいるため。後悔しないようにするための、小さな旅。》(#10)
 なんつー投企的な。すたんだっぷとぅーざびくとりー。その向こう側に何もなくても構わないから、みたいな。
 まあ、何もしないと未来の自分が後悔しそうだからとか、先のことはわからんがやらずに後悔するよりやって後悔するほうがいい、というのは、一般的といえば一般的な動機ではあるんだけど。あと、プロが出張ってきて素人は引っ込んでろ的に主人公が事件から遠ざけられようとするけど主人公は当然引き下がらない、ってのは王道か。もちろん世界の命運より女の子が大事です。
 
 #6の錯綜ぶりについてはこんな感じ。
 
《(目的があるどうしだから、ぶつかり合うのは仕方ないのかもしれない。だけど、知りたいんだ)

「こないだは自己紹介できなかったけど、わたし、なのは、高町なのは。私立清祥大付属小学校三年生」

(どうして、そんなに寂しい眼をしているのか)

「フェイトちゃん!
 話し合うだけじゃ、言葉だけじゃ何も変わらないっていってたけど、だけど、話さないと、言葉にしないと伝わらないこともきっとあるよ!
 ぶつかり合ったり、競い合うことになるのは、それは仕方のないことかもしれないけど、だけど、何もわからないままぶつかり合うのは、わたし、いやだ!
 わたしがジュエルシードを集めるのは、それがユーノくんのさがしものだから。ジュエルシードをみつけたのはユーノくんで、ユーノくんはそれをもとどおりにあつめなおさないといけないから。わたしは、そのおてつだいで。だけど、おてつだいをするようになったのは偶然だったけど、今は自分の意志で、ジュエルシードをあつめてる。自分のくらしている街や、自分のまわりのひとたちに危険がふりかかったらいやだから。
 これが、わたしの理由!」》
 
 なのはさんは「これが、わたしの理由!」と言っていますが、その意味するところは「あなたの理由が知りたい」ということであるし、一番気になっているのは、「どうして、そんな寂しい眼をしてるのか」ということだ。あんた惚れてるね。
 というのも、普通に考えれば、モノローグにこそキャラクターの真意が示されているわけで。まあ普通は。