荒山徹『魔岩伝説』
ネタバレします。
仏力ビーム?
最後の最後、あの宝塔は実は蓄積せし仏力を放つための砲塔、なんて話がいきなり出てきます。隆慶一郎や山田風太郎の名が挙げられることが多い荒山徹ですが、霊的要素の扱いはむしろ古橋秀之だと想います。このままでは仏性を帯びた大質量が激突しかねない。
ところで、終盤にアゴが外れるようなオチが大量投入される、というのはどういうメソッドなんでしょうか。
この頃から荒山徹先生は、明らかに世の常の娯楽の域を踏み越えていると思います。そろそろエピローグでホロリとするのも厳しくなってきた。やはり朝鮮妖術と柳生新陰流は出会ってはならなかったのか。そんな荒山徹・接触篇。『十兵衛両断』が発動篇だとすると。
mixiの某所において「遂に荒山先生の中に封印されし柳生力(やぎゅうちから)が封印の隙間から漏れ出し始めた作品」と称されたのも、まったく肯ける話です。