長谷敏司『円環少女(2) 煉獄の虚神(上)』

 メイゼルたんは相変わらずのド変態でした。クラスメイト(委員長・眼鏡っ娘)の泣き顔にハアハアしてるんじゃありません。
 彼女にとって「好き」とはつまり、泣き顔が見たい、屈服させたい、というものですが、ならば、「好かれたい」という欲望はどのようなかたちをとるだろうか?
 あたしがせんせを好きなようにせんせががあたしを好きならば、せんせはあたしを屈服させようとするに違いない。
 極めてロジカルに狂ってる。バロックを抱えるとはそうしたことに違いない。
 それでまあ、id:crow_henmi:20051210でも指摘されていることだけれど、世界は当り前のように歪んでいて、だから登場人物は当り前のように歪んでいるなあ、と改めて思った次第です。なんかぜんぜん、いわゆる異常者の描写に気負いがないのな。
 ただ、メイゼルたんのド変態っぷりだけが、周囲や武原仁やらがたまたまマトモである、というだけの理由で、ようやく目立った描写になる、といった。
 なんかよくわかんないけど、変。つまり面白い。