眩暈感覚

 中村九郎『黒白キューピッド』。視点を固定しない。各キャラ、神、作者(中立的な「描写」ではなく、あからさまに手を感じさせる「修辞」を行う主体としての?)、マクロ、ミクロ、遠くから、近くから、共感的に、茶化すように、キャラの心情を先取りして説明し、あるいは言い落とす。無論、視点を固定しないとはパースペクティブを固定しないということだ。レッド・星の四次元視覚。あるいは、あらゆる次元の語りが同一平面に並ぶ「超平面的」な?
 あと、メイジはそれこそ眩暈がするほど可愛い(オチ)。

 いや、中村九郎の文体については色々考えてるんですけどね、どうもまとまらなくてさ。未読の人にどう魅力を説明したものかと悩ましい。