『AIR』TV版 #5(その2)

 堤防のシーンが気になったので試しに計ってみたら、1分と5秒かそこら、二種類のカットだけで持たせてました。一つは堤防に坐る往人の上半身を、これは完全に真横から。もう一つは全く同じ構図の観鈴、と極度にシンプル。数秒おきにカットが切り替わりはするのだけれど、全く同じ構図の反復で、ふと目を戻すと相変わらず観鈴がそこにいる感じ。最長のカットは観鈴が髪をいじり始める辺りで、12〜13秒でしょうか。長回し、とはちょっと違うと思うのだけれど、それに似た緊張感があります。なんかヤバいくらい「観鈴がそこにいる感」が漂ってくる、と思うのは僕だけですかあれ。空気の流れまで感じられる。
 あと、最初の登校シーンの「ちょっと昔の夢を見てな」の直後から青空を映すまでのところとか、往人さんに一緒にトランプをすることを承知させてふわっと微笑むところとか、あのへんもけっこうヤバい。表情が変化するさいの間の置き方とかどうかしてるよ。まるで生身の観鈴ちんがそこにいるようだ。どうもすぐ後の発作についてばかり語られている気がするけど。