都築真紀・長谷川光司『魔法少女リリカルなのはMOVIE 1st THE COMICS』 Sequence:1-2「Distance」(メガミマガジン4月号)

 風になびく/金の髪
 細い腕
 不釣り合いな/はずなのに/不思議とよく似合う/黒い斧槍
 
 目が会った時に思ったんです
 ああ/綺麗な子だなって

 これだよこれ。
 
 綺麗な子だと思った。寂しそうな目をしていたので気になった。
 あるいは同じことだが、好意が兆しているからこそ綺麗な子だと思えるし、気になるからこそ寂しそうに見える。因果など理由など知ったことじゃない。
 きっとなのはだって自分の気持ちがわかっていないから、何故、と問うことに意味はない。
 
 そして高町なのはといえど、心が折れることもあれば、フェイトちゃんに会いたいけれど会わないほうがいいと思う、と考えすぎる面もあるわけで。だから大人たちがお膳立てしてやる必要がある。『A's』とは何という違いだろう。ちなみに今木は『A's』のなのはさんは、第一期の思春期じみた悩みっぷりから、年相応の状態へと退行というか復帰した、と見ます。年齢に似合わぬ複雑な顔、をしなくなった。かわりにフェイトちゃんが色々と戸惑う役を務めることになる。