『新ゲッターロボ』

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 荒山徹『柳生雨月抄』を待っているあいだにこれを観ていました。いや共通点なんて伝奇と陰陽師ぐらいなものですが。とりあえず、一からのリメイクなので、他のアニメ版は一切知らなくてもよいのが有難い。
 で、ゲッターロボ平安時代にタイムスリップして安倍晴明と戦います。嘘じゃないです。すなわち陰陽師VS巨大ロボであり、なんかこう、邪神VS名探偵、というフレーズが頭をよぎったり。ちなみに絵的にはこんな感じ。一応ネタバレだが第八話「激突」の一番上の画像、五芒星(晴明桔梗印)でゲッタートマホークを受け止める安倍晴明。なんか普通に正面から戦ってますね。そういうアニメです。あと八話で晴明が唱えてるのはたぶんこれ
 それにしても、竜馬が妙に可愛い。脳筋バカに見えて普通に繊細で優しい。そしてたぶんとってもシャイ。「仲間なら間に合ってる」なんて、本人たちの前では死んでも仲間だなんて顔はしないくせに!
 
 ところで、オープニングで読経(!)にかぶさって何か云ってるんだけど、聞き取れません。「ゲッター」「頼光」「変型」「早乙女」「大雪山」みたいに本篇に関連のある単語を並べてるくさいんだけど。
 
 あと、本作のゲッターロボの扱いはかなり独特で面白い。
 ゲッターロボとは何か? 三機のメカが合体するロボットである。それは半分にすぎぬ。むしろ重要なのは、人型を捨てて三機に分離できることだ。たとえば『伝説巨神イデオン』でもそうなのだが、合体して初めて真の力を発揮する、ということは、逆にいえば、通常は三つに分断して封印している、ということだ。おそらくは寸断のモチーフと何かかかわりがあろう。
 本作においてゲッターロボとは何か。ゲッター線が人の形を得たものである。人型の器を得たことで、何か決定的なことが起きてしまった。
 そしてゲッター線/ゲッターロボは、本質的にはパイロットを同化し取り込んでしまうようなヤバめのブツだ。だから、パイロットは複数乗せておき、さらには任意に人型であることをキャンセルできるようにした。
 演出的には、終盤、流竜馬はゲッターに半ば「取り込まれる」のですが、その状態だと、以前ならオープンゲットで脱出するようなシチュエーションでもゲッター1のまま力技で乗り切る。ゲッターに取り込まれている状態だとオープンゲット(分離)しない。ついでにいえば、トマホークも使わずに拳で殴る。そして、ゲッターの支配を脱した瞬間に、また従前のように三体分離・変型もするしトマホークも使うようになる。うまい。