『創聖のアクエリオン』

 先にジャンル史的な物言いをしておくと、学園/ロボットもの、というのはマジンガーからエヴァまでそれなりに見馴れた趣向ではあるのだけれど、見知ったクラスメイトや先輩後輩がみんな持ち回りでパイロットやってる、というのは面白い。毎回メンツ変わるし。まるで対外試合のメンバー選抜のようだ。で、普段は気に食わぬ相手と協力したり意気投合したり、あるいは平素憧れの先輩とご一緒したりと、学園度が高い。あと基本的には、一匹狼の転校生がやって来てクラスに波紋を広げたりだんだんみんなと仲良くなったりする話だし。転校生の強味はクラスの同調圧力を関知しないことで、羽生えてるからとか吸血鬼みたいだからとか気にしない、がゆえにクラスメイトの紐帯を強化する役割を果たす。

 ガキ共が可愛らしくてねえ。どうにも。
 ガキ共、ってのはむろんエレメントスクールの生徒の皆さんのことですが。なんか怪談話で盛り上がったり。
 シルヴィア。ボケ姫だのおーぼけ姫だのって呼ばれてるのっていったいどういう可愛さよ。彼女につきましては、両天秤がかたやお兄さまでかたや前世での恋人っていうのが良くってさ、なんか乙女回路全開*1で、つまり色ボケですかそうですか。そのくせ口より先に手が出る足が出るやんちゃなガキで。前世のロマンも、顔を合わせりゃいがみ合うくせ気になるアイツ、というのもごたまぜで。大人になったら本当の恋をして、なんて言わない。子供じみていたり過度にロマンに満ちていたり、そんな恋はそれだけで十全で、そのまま永遠にしてもいい。

 あとほら、必殺月面パンチ、なんて言っていたあの腕で崩壊する大地を繋ぎ止める、とかそういうのも。ネタとマジの境界を知らぬ楽園がここに、的な。

*1:光ファイバー コミュニケーション 回路全開」でぐぐれ。