中村九郎『黒白キューピッド』ばかり読んでる。ちょうど梅雨明けの頃に読めたので得した気分です。うん、いいものを読んだ。
 いや正直最初に読み終えた時にはよくわかんなかったんだけど、いいものは一回じゃわからないんだよ、と炎尾燃も言っている。なるほど、視点を固定し事物を描写し印象を喚起し読者の解釈を要求する、ンな手順を律儀に踏んだりしない。まだるっこしい手間は抜きだ。いきなり本題である。事物と意味と印象は不即不離、或いは言葉そのものをチョクに脳髄に叩き込むがごとき。これが貫通力か!
 というのはまあそれはそれとしてメイジ可愛い。おまえそれ「恋に恋する少女」っつうより色ボケ小娘だろ、とかつっこみてえ。もうキャラ紹介の末尾に「頭悪い。」とか付けたい。

 付加えるなら恋とは人を健全な地上に繋ぎ止めるためのもの(鈴宮ハルヒの憂鬱/うさぎホームシック)であるよりは、恋が可能であると天使が存在するとは一つであって二つでない、ということであるべきだと思います。虫が好く好かないってレベルの話ですが。