『AIR』TV版 #11

 なにこの実相寺。
 いや別に『KEY THE METAL IDOL』におけるますなりこうじとかセラムン無印の幾原邦彦、でもいいのですが。そういえばジェネレイターガウル#7も三好一郎(で演出助手が山本寛)。なんかそういう回ってあるでしょ? 普段と毛色が違う絵作りが異彩を放つカンジの。
 または、比較的処理しやすい(一般的なパターンのお涙頂戴に落とし易い)部分をそれなりにセンス良く映像化、といった。あとなんというか、カメラワークがあくまで三人称的というかキャラクターを突き放していて、キャラの心情を実感させない。どうも何がやりたいのかわからん。
 ──といった印象が、最後に「そら」のモノローグが入ることにより引っくり返るのね。人間の目線を排したカメラワークが珍しいわけではないが、カラス視点からの心理的な距離感の表現と考えると腑に落ちる。なるほど実感できないのも当り前だ、最後でようやく知るわけだから。そういうわけで、うまい。