天敵、来襲!

 なんか引っかかると思ったら、「天使/来撃」と「使徒、襲来」が混ざったようなオビだわね。というのがりすか2巻なわけですが。いやまあ、作品の感想なんて、このバカップルが! ってなもんですけどね。ところで、「めそめそと情けない」(p83)なんて言われてるところをみると、キズタカくん泣いてます? 
 一人称の語り手というのはまず嘘をついていると考えるべきなので、キズタカの語りを額面とおり受け取るべきでない。というかひねくれた一人称が大好きなものでね。酒見賢一『語り手の事情』とか谷川流とか。なぜかといえば、モノローグですら嘘をつくから、語られない部分を勝手に想像するよりなく、そしてひとは、他人から聞かされる理路整然とした話より、自分で思いついた適当な話のほうにリアリティを感じる(だって自分の頭で考えちゃったんだもの)、がゆえにだ。私たちは他人の語る理路整然とした話より、自分で作ったデタラメ話の方を信じる。

 まあそういうのは別にしても、『りすか』はそれはもう大好きで、小学生の男女が手と手をつないで(ついでに抱き合って)テレポート(もどき)、ってあたりで鼻血吹いたりしてますが。西尾維新は実にサービスがよい。


 あとは、きずなさんってやっぱり、そのとき27歳くらいだったのかなあ、とか。