『D.C.』#16〜#18

 ようやくさくらの家に行ったし婆ちゃんも出てきた。ところで、日本に普通に住んでる婆ちゃん(それも主人公の祖母)が魔女だったりすると、ちょっと児童文学めいた感じで好ましい。そう感じるのは私だけですか。そういえばゲーム版をやっていた時には、梨木香歩西の魔女が死んだ』を読んでいたのだった。
 純一とさくらの祖母は、「わたし気まぐれだし、かったるいのって好きじゃないしねえ」と子供に向かって言うような、でも冷たい感じはしない人で、やっぱりにやりと笑いそうな気がする。「わたしは魔法使いなの。正確には、魔女ね」。
 何しろ面倒くさがりなので、純一とさくらの縁戚関係を説明するのも途中で投げ出す。それで、さくらと純一の子供二人が、自分たちのやり方でお近づきの挨拶を交わしたりする。原作のことはよく憶えていないのだけれど、たぶんこのあたりはそう変わるまい。
 面倒くさがりのくせ、さくらを純一にとって「なんだかよくわからないけれど、守ってやるべきらしい女の子」にしちまうあたりは人の心を惑わす魔女ですな。そして魔女の横顔はやっぱりさくらに似ている。これが見れるだけでもアニメは何かと幸福だ。

 それと一方では、美春と音夢の関係もきっちりフォローされている。純一の一人称であるゲーム版と異なり、アニメだと音夢と美春の関係を単体で描くことができる。アニメだと、純一の目の届かないところでも、みんな普通に友達やってたりする所をそれこそ普通に描けるので、見ててけっこう安心するのです。