『学校を出よう! 6 Vampire Syndrome』

 そろそろ表紙を見かけるだけで幸せになってきました。いい絵です。3巻の裏表紙とか特に好きなんですがそれはともかく。
 学校を出ようとするどころか、学校にいる理由が出来てしまったじゃねえか。おめでとう/クソッタレ、って気分ですよ。キャラの幸せには祝福を、されど飛翔を妨げる日常の幸福に呪いあれ。家庭の幸福は諸悪の元。複雑です。
 ところで今木はなんというかユキちゃんのモノローグがないと生きていけないので、その意味では満足。たぶん彼は決して本質的には当事者になれないという意味での傍観者で、『密閉教室』や『雫』にける探偵役に似て僕にはひどく気になる相手だ、よくわからんが。
 それにしても恐かった。鉛の棒を飲み込んだような違和感が最後まで消えなかった。まあ、「釈然としないがどうにか格好がつくオチにする」というのが今回のオチなので釈然としないのは織り込み済みなのだが。
 相変わらず、物語の展開(の単一性や必然性)にまるでリアリティ感じてなさそうなくせに、「とりかえしのつかなさ」みたいな方向にはばっちりアンテナが向いてるあたりがなんかこう。いや、だからこそなのか? まあよい。
 それにしても茉衣子はやつれたな。魅力がなくなった。まあ若菜やら宮野に敗北しまくりなので無理もないが。Escape from The Schoolのがいちばん好きです。賢しいですわねも本質直観も「……不覚……」も。まあ、茉衣子に限った話ではないけれど。あと若菜とユキちゃんのキャラはそんなに変わらないのでやっぱりそのへんがコアなんでしょうかどうでしょう。