Sister Princess #4〜#7

《……少年も少女も“家庭”から見捨てられ、傷ついた心で生きているのである。……とはいえ良質な少女マンガが明るいのは、それらのいわば現代の孤児たちを、ふたたび愛によって結びつけるところだ。『前略ミルクハウス』(川原由美子)や、『エイリアン通り』(成田美名子)はそれぞれある種の孤児たちの“ホーム”が舞台として描かれている。心に傷を負った少年少女、時には大人まで、その“ホーム”の住人である。その“ホーム”のなかで、彼らは少しずつ他人に対する不信感をいやし、さまざまな感情の交流を回復し始める。別の意味でいえば彼らは“愛すること”を学ぶのである。》(宮迫千鶴『ハイブリッドな子供たち』)

 そんなわけでぼくらは、海神航が逃げ出そうとしても結局は踏み止まることを知っているし、かれがこれから、今までに比べれば随分と人間らしい感情を回復ないし習得してゆくのだということも知っている。あと4話で雛子が子供らしく勝手に不機嫌になるあたりがよろしい。航の優しさがたぶん居場所を失った者の負い目とかうまくやれない自分への不安とかまあそういったものであるのも、相手にとっては紛れもない優しさであるのも。7話。居眠りする亞里亞咲耶が苦労人。わりと盲点だったが、妹がたくさんできたのは兄ばかりでなく、「12人の妹の姉」になっちゃう人も出るわけだね。よりにもよって咲耶がそんな役になるとは不憫な話である。