『我が家のお稲荷さま。』

 『我が家のお稲荷さま。』がなかなかに読んでて幸せな物件でありまして。この書評読んだので手を出したのですが、たしかにいいものでした。とりあえず日常会話が心地よい。他人に物事を説明したりされたりに疲れた人は読んでみるといいと思う。あるいは、読んでみるがいいと思う。
 この本に出てくるのはたとえば「完璧に一言で必要なことだけを伝えてしまえるひと」や「説明下手でいっこうに要領を得ないひと」や「説明しかけたけど面倒になって適当に済ますひと」などですが、しかしどれもべつだん変わりなく等価であり等権利に日常を構成します。するのです。これを幸せと呼ばずに何と呼ぶのか。