地上最大のロボット

 『地上最大のロボット』は、べつだん世界一という願望それ自体を否定的に描いているわけではない。ゴジ博士は確かに「世界一がどんなにバカバカしいものかわかったでしょうな?」と言うけれど、これは勿論「力による世界一がどんなにバカバカしいものかわかったでしょうな?」という意味だろう。同作が、「力による世界一」という発想を、「ほんとうの世界一のロボットとは、人々の平和と安全に貢献するような存在だ」という思想で乗り越えるモチーフがあるのは疑えないところだと思うのだが。