たとえば月姫。以下はネタバレになるが、id:smatoba:20040223#p6から飛んで、

《注目すべきなのは、主題を際立たせるため、裏ルートでは表ルートと設定を変更している点である。ロキの外見は化生から男前に変わり、主人公の「死の線」の描写はシナリオを邪魔しないところまで後退し、正ヒロインは後姿しか見せない――じゃなくて、志貴はアルクに殺意を感じない。「月姫」は、不要な要素をざっくりと切るほどに、話を立てるための心配りをちゃんとしているのである。》(http://hpcgi1.nifty.com/hirokata/sunbbs2.cgi

 問題は、こういう2001年に書かれた文章があっさりと忘れ去られることと、さらにいえば、いいかげんな記憶に頼って作品を論じてしまうことであろう。

《# kaien 『でもまあ「痕」でも「月姫」でも「Kanon」でもなんでもいいんですけど、あそこらへんのシナリオの横の絡みがある作品はあきらかに複数のシナリオを通して世界観の全体像を結ぶことを考えてつくられているので、やっぱりひとつひとつのシナリオが別々の設定を持っていると考えることは無理があると思います。作品の設定がめちゃくちゃになってしまうし、「じゃあ、あれはなんだったんだ」という箇所がどうしても残る。》(http://d.hatena.ne.jp/kaien/20040214#c

 何か「あきらかに」だか。