ノベルゲームがどうとか。ところで、id:smatobaはみんなちゃんと読んでるかい。あっち読んでればきょうのやつは読まなくて結構。


 「昔やった話を繰り返してる」(id:imaki:20040218#p2)で済ませるのも何なので一応くりかえしておく。以前書いたように、《マルチストーリー/マルチエンディングのゲームにとって、「ゲーム開始以前の過去の一元化」は、採択しうるオプションのひとつに過ぎません。それは、『パズルを組み合わせる面白さ』(『痕』的な)や、『鬱ゲー(への志向)』や『選ばれなかったヒロインの不幸』のために要請されるものでしかない。》これはシナリオが分岐するようなゲームの歴史を参照すれば明らかだと思う。


 厳密にいえば、たとえば事件の全体像を志向する謎解きの愉しみにおいても、世界そのものの同一性は必要ではない。詰将棋において重要なのは駒の配置の同一性であって将棋盤そのものの同一性ではない。新たな設定の導入が面白さを損ねるのは謎解きの材料とルールが変改されるという理由による。そしてそれだけのことでしかない。逆にいえば、謎解きの面白さが要求しうるのは、世界の同一性ではなく、謎解きの材料とルールの同一性のみである。