http://d.hatena.ne.jp/NaokiTakahashi/20040219#p1
 うーん。その「悲劇」は「運命悲劇」でしかないような。「性格悲劇」って言葉はご存知? あるいはまた、悲劇は出来事の客観的な機序ではなく認識の問題である、とかそういう話を聞いたことは?

 と言い捨てるのも何なのでひとつ。「個人の手におえる単に俗なレベルでの選択か過失の結果でしかなく、そうでないあり方もありえたひとつの偶然に過ぎない。」という言い方は『リア王』にもあてはまりますが。にもかかわらず、なぜか現実の悲しみそのものを超えたレベルのなんかになっちまうのが、あの悲劇の悲劇たる所以ですたぶん。

 まあ、悲劇にきちんとした抽象的な定義を与えるのに誰かが成功した、なんて話は寡聞にして聞きませんから、この点に関して他人の不備を論うのはちょいと大人気ない話ではあるのだけれど。