ツンデレ、というのを具体的にキャラに即して考えるとき、何がツンであり何がデレなのか、というのがわからなくなる。つまり、我々はあるキャラがツンデレであるや否やを論ずる前に、特定のキャラの特定の言動に際し「あれはツン」「むしろデレ」「ツン(かつ)デレ」「ツンでもデレでもない」という四種類の判断が成立する、ということから始めたい。これがメロンパンなら皮がカリで中身がモフである、ということは即座に意見の一致を見ようというものだが、ツンデレとなるともうツンデレ遊びの域である。「煙草は?」「ツン」「注射」「ツン」「そうかな、白衣の天使につきものじゃないか」「断然ツンだ。針が第一、お前、立派なツンじゃないか」「よし、負けて措こう」。
 「ツンのアント(対義語)は?」「ええっと、ツンデレという属性があったから、デレだ」「いや、それはアントになっていない。むしろ、同義語(シノニム)だ」。
 そんなことばかり考えて日々を過ごしております。そういえば以前、涼宮ハルヒツンデレと称されることに驚倒したと書きましたが、ツンとデレは任意に見出し得るという見地によりこれは他人がそう見做す分には口を挟むべきではない、という結論に至りました。