漫画バトン
かおるさんから。
○持ってるマンガの量
百冊強、と見当をつけます。
○今おもしろい漫画
・松井優征『魔人探偵脳噛ネウロ』
相手の気持ちだの立場だの意図だのを気にせず進む会話が好きっちゃあ好きですね。言葉の一致や単語からの連想や言葉の上の論理がむしろ起点になる。
○最後に買った漫画
・麻枝准・依澄れい『ヒビキのマホウ a continental chronicle』①
それにしてもこの「反復」に対するオブセッションはどうしたことか。
あとはまあ記憶とか大地とか永遠とかいつものあれ。記憶とは木や石と同じように実在するので、ただ思い出すだけで触れることができる、みたいな発想が面白いような気がしなくもない。幸せな記憶がリアルな力を持つならば、忘却による損失はいかほどのものか。
○よく読む、または特別な思い入れのある5つの漫画
・桑田乃梨子『ひみつの犬神くん』
桑田乃梨子は男子の繊細な、同時になさけない心情を描かせるとなかなかに得難い味があって、その意味ではこれと『男の華園』は外せない。
失恋の後も世界は続く。気持ちに整理なんてつかないし、新たな恋によって贖われることも無論ない。急いで付加えておかなくてはならないのは、これがコメディだということですが。
美月えりかが素敵。うじうじしている主人公をどつきに来るんだけど、それはただ単に見ててイラつくからとか純粋ないじわるであって、間違っても恋愛感情を隠してたりはしない。つまり、いいやつ。
・あずみ椋『緋色い剣』
ヴァイキング/北欧ネタのイチオシ。やや優等生的にすぎるきらいはあるが、北欧神話の再話と歴史絵巻、そして父と子の葛藤をきっちりこなしていると思う。ちなみにファザコンは運命の愛より重い。
『折れた魔剣』のスーパー神話大戦風味がどうもアレだ、という向きにはお薦め。あるいは『ヴィンランド・サガ』はどうにも現代人の価値観と感性を前提しすぎてるじゃねえか、というのでも可。
・萩尾望都『トーマの心臓』
観念的なあまり逆にエロい、という境地に達していると思います。頭でっかちでアンバランス、それが俺のアドゥレッセンス黙示録。
・片山愁『君がいた夏』
作者自身も言うように、あんまり出来はよくないよねえ。
例えば、子供の頃に切望していたものが九年もたつとどうでもよくなっちゃう、とか、大事なことをなかなか言い出せないまま終わってしまう、とか、まあそういったようなことのための話。郷愁の一言で済むっちゃあ済むけど済ませるのに忍びない、そういうことが俺にもあります。
あと「至高満月」(『ドラゴン・フィスト』⑧)も、男の子が男の子に抱くよくわかんない感情、を名付けないまま描いていて好きだ。
・星野架名『緑野原幻想』
80年代的な、あまりに80年代的な。
○バトンを渡す5名
パス。