平野今木の50冊
で、俺を呼んだかい? というわけで揃えてみた。強いていえば、俺が世界と戦うための砂糖菓子の弾丸、あるいはドン・キホーテの面頬。時として、弱虫の泣き虫小僧の不良少年の手*1、とかまあそんなものだと思う。「実弾」なんて言い出したら負け。「どんな個人でも、この世に足跡を残さうと思へば、何等かの意味で自分の生きてゐる社会の協賛を得なければならない。言ひ代へれば社会に負けなければならぬ。社会は常に個人に勝つ。思想史とは社会の個人に対する戦勝史に他ならぬ。」(小林秀雄「Xへの手紙」)
- 法月綸太郎『密閉教室』
- 内田樹『先生はえらい』
- アイザック・アシモフ『ロボットと帝国』
- 谷川流『学校を出よう! Escape from The School!』
- 三浦雅士『自分が死ぬということ』
- 竹田青嗣『世界という背理』
- うえお久光『悪魔のミカタ 魔法カメラ』
- 川又千秋『夢の言葉・言葉の夢』
- 柄谷行人『畏怖する人間』
- 『吉本隆明詩集』(思潮社現代詩文庫。「規劃された時の中で」「固有時との対話」)
- 『小林秀雄初期文芸論集』(何はなくとも「Xへの手紙」)
- 小谷野敦『新編 八犬伝綺想』
- メルヴィル『白鯨』(新潮文庫の田中西二郎訳が好き)
- ジョージ・スタイナー『悲劇の死』
- スーザン・ソンタグ『反解釈』
- ミハイル・バフチン『ドストエフスキーの詩学』
- 山川方夫『夏の葬列』(「煙突」)
- 江藤淳『夏目漱石 決定版』
- G.K.チェスタトン『ブラウン神父の秘密』
- ヴィルヘルム・ハウフ『隊商』
- 小泉八雲『小泉八雲集』
- 呉承恩『西遊記』君島久子訳・瀬川康男画
- 野阿梓『銀河赤道祭』
- 太宰治『晩年』(とくに「魚服記」)
- 早見裕司『水路の夢[ウォーターウェイ]』
- 清水マリコ『ネペンテス』
- 上野俊哉ほか『GUNDAM FIX』(KAZUO ICHIOKIのテクスト)
- 『集英社版日本文学全集37 牧野信一・梶井基次郎集』(牧野信一の本が他に手に入らないので)
- 『中島敦 日本幻想文学集成』(「木乃伊」「牛人」「わが西遊記」)
- K.クロスリイ-ホランド『北欧神話物語』
- マーク・トウェイン『ハックルベリイ・フィンの冒険』
- 保坂和志『書きあぐねている人のための小説入門』
- 梨木香歩『西の魔女が死んだ』
- 笠井潔『機械じかけの夢』
- 霧間誠一『VSイマジネーター』
- 新宮一成『無意識の病理学』(astazapoteの『ONE』論がらみで)
- 谷川俊太郎『夜中に台所でぼくはきみに話しかけたかった』
- 金月龍之介『雫』
- 横溝正史『獄門島』
- 福田恆存『人間・この劇的なるもの』
- 作田啓一ほか『人間学命題集』
- 田中仁彦『ケルト神話と中世騎士物語 「他界」への旅と冒険』(失われたイース、円卓の騎士に姿を変えたケルトの神々)
- 中島梓『小説道場』
- 夏目房之介『手塚治虫はどこにいる』
- 切通理作『怪獣使いと少年』
- 酒井健『バタイユ入門』
- 藤本隆志『ウィトゲンシュタイン』
- 坂口安吾『堕落論』(集英社文庫。「不良少年とキリスト」「文学のふるさと」「桜の森の満開の下」)
- 阿部嘉昭『野島伸司というメディア』
- アラン『幸福論』
本当のところ、読んできた本というのは足跡にも似て、望むと望まざるとに関わらずできていくもの(というのは、「読もうと思った本」と「実際に読んでしまう本は、しばしば一致しないから)ではあるのだけれど。