『涼宮ハルヒの暴走』

 なんだか知らないが、今回はハルヒが終始やたら楽しそうである。あと『憂鬱』以来の彼女の自分語りがちょっとだけ聞けて嬉しいとか。所で世にもくだらない話をすると、アニプリ漬けのアタマだと、どいつもこいつも妹に見える。長門は千影と印象が混ざることがある。ハルヒの騒ぎようはたまに四葉じみて見える。どういうことかというと、イタいのは変わらぬが概ね無害でありどころか時に微笑ましくさえあって、普通の女の子寄りになっているってことで。

 ハルヒはもうつかまってしまった。キョンにだけではなく、仲間とか日常とかそういうものに。もう『憂鬱』のときのように、自分で作ったSOS団なんてポイして別の世界を選ぶ、ということはもはや起きまい。よかったじゃないか。願わくは、それを大切だなんて思わないように! 楽園は楽園と意識されたらおしまいなんだ。だが今は長門の可愛さを満喫しよう。結局それです。

 「エンドレスエイト」。あんた本当はそんなことがしたかったのか! と思うとやっぱりせつなくて泣いちゃう、そんな話。何言ってるのかわかりませんね私。子供っぽいハルヒ萌え。どこの子供かと思うぐらい真っ黒に日焼けとかそのへん。
 ずっと八月だったらどんなに素晴らしいだろう、と思わなくもないのだが、長門のことを考えるとそうも言ってられないわけで。
 「射手座の日」。なんと超常現象抜きである。普通にコンピュータ研と遊んだだけ。キャラ萌えだけでも戦える。
 「雪山症候群」。結局のところ長門に頼らなければ話が作れないんでしょうか。長門に余計な負担がかかるのに怒りを覚えた場合、それをぶつける対象は作者でよろしいのでしょうか。むう。