「長門有希の100冊」ほか
(2/11改訂。編集中に一度うっかり削除してしまったので、トラバとかコメントとかはアレなことになってます。id:jituzonさんに『こんにちは。私とは一冊しか被ってなかったのでちょっと寂しいであります。』とのコメントと、http://d.hatena.ne.jp/jituzon/20050210のトラバを戴いていたのですが。やれやれです。)
「長門有希の100冊」についていえば、散発的なコメントがあるばかりで、結局は長門さんにとってどういう本たちなのか、もうひとつよくわからないあたりが好きです。
あと、わりと普通の女子高生というか文芸部の子が読みそうなラインナップが並んでいたのでおじさん安心しちゃったよ、という気がします。なんか聞いたことのある本ばかりだし。そこで安心する所がたぶん何かが衰えてる。
ちなみに「長門有希に挑戦!」は20冊でした。
(『魍魎の匣』『誰彼』『夏と冬の奏鳴曲』『世界SF全集12』『十角館の殺人』『ダンス・ダンス・ダンス』『鋼鉄都市』『真ク・リトル・リトル神話大系』『僧正殺人事件』『トンデモ本の世界』『ガダラの豚』『トリフィド時代』『カラマーゾフの兄弟』『吸血鬼伝承』『ブラウン神父の童心』『地球の長い午後』『エンダーのゲーム』『たったひとつの冴えたやり方』『たそがれに還る』『海がきこえる』。あと『法の書』はWeb上にあるやつ(英文)は読んだけど、インクの色やら装幀やらの指定が確かあったはずだから、紙の本じゃなきゃ不可ってことで)
「〜の50冊」まとめ
- 転叫院さんの50冊
読んだことがあるのは22冊。
(「屋根裏の散歩者」「ラカンの精神分析」「はじめての構造主義」「実存からの冒険」「逃走論」「方舟さくら丸」「現代思想の冒険」「虚構の時代の果て」「檸檬」「トカトントン」「10月はたそがれの国」「国語入試問題必勝法」「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」「コミュニケーション不全症候群」「九百人のお祖母さん」「個人主義の運命」「姑獲鳥の夏」「時計仕掛けのオレンジ」「くるぐる使い」「1984年」「テクストの快楽」「Alice's Adventures in Wonderland」)
理系の人が「個人主義の運命」挙げてるのはかなり意外だったりします。
- 「疏水太郎の50冊」
19冊。
(「宮沢賢治詩集」「星の王子さま」「檸檬」「妖精族のむすめ」「幾千の夜を超えて」「メルニボネの皇子」「山月記・李陵 他九篇」「語り手の事情」「しろいうさぎとくろいうさぎ」「クマのプーさん」「青い鳥」「西の魔女が死んだ」「光車よ、まわれ!」「水路の夢[ウォーターウェイ]」「カラフル」「獄門島」「嵐が丘」「三国志」「燃えよ剣)」。ちなみに尾崎翠はちくま文庫の『尾崎翠集成』で読んでます)。
『語り手の事情』『嵐が丘』『青い鳥』『カラフル』あたりは、たろーさんがいなきゃ読んでなかったと思うわけで。それと、「幾千の夜を超えて」の文体はかなり理想に近い、とか。
- 「明日香翔の50冊」
27冊。影響受けたサイトが被っているせいだと思う。ちなみに『妖魔の森の家』は明日香翔さんの後で読んだ。
(『クビシメロマンチスト』『女生徒』『語り手の事情』『嵐が丘』『西の魔女が死んだ』『アンネの日記』『夏と冬の奏鳴曲』『ウィーンの辻音楽師』『猫の地球儀』『鋼鉄都市』『密閉教室』『妖魔の森の家』『すべてがFになる』『だれも知らない小さな国』『あらし』『隣の家の少女』『檸檬』『桜の森の満開の下』『魍魎の匣』『お目出たき人』『坑夫』『そして誰もいなくなった』『世界線の上で一服』『車輪の下』『バイバイ、エンジェル』『夏の葬列』『十五少年漂流記』)。
- 「江洲信也の50冊」
22冊。
(「妖精作戦」「ユミナ戦記」「論語」「ハムレツト」「瓶詰の地獄」「シャーロックホームズの冒險」「1984年」「夏への扉」「怪人二十面相」「幼年期の終り」「チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷」「坊ちやん」)。
- 北守さんの「俺の50冊
」
20冊。
(『ショイヨルという名の星』『ブギーポップは笑わない』『武器製造業者』『歴史とは何か』『クリスマス・テロル』『探偵映画』『涼宮ハルヒの憂鬱』「裸の王様」『異邦人』『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』『ファウンデーション』『愛はさだめ、さだめは死』「オメラスから歩み去る人々」『1984年』「山月記」『哲学者の密室』『空の青さを見つめていると』『世界の中心で愛を叫んだけもの』『地球の長い午後』『姑獲鳥の夏』)。
- 『風島麻理の50冊』
17冊。
(『カーニバル・ナイト』『もうひとつの夏へ』『血まみれ学園とショートケーキ・プリンセス』『NOeL ル・ソレイユ』『海がきこえる』『ブライトライツ・ホーリーランド』『ブギーポップ・インザミラー パンドラ』『たったひとつの冴えたやりかた』『鉄コミュニケイション チェスゲーム』『イリヤの空 UFOの夏 その3』『戦略拠点32098 楽園』『ドルロイの嵐―クラッシャージョウ別巻 (2)』『戦闘妖精・雪風』『ひとめあなたに』『十字架の少女』『キスまでの距離/おいしいコーヒーのいれ方(1)』『続・黒猫館』)
- 「ニャルの50冊」
16冊。
(「ラブクラフト全集」『餓狼伝』『悪魔のミカタ グレイテストオリオン』『狼王ロボ』『猫の地球儀』『ブライトライツ・ホーリランド』『日本の弓術』『百億の昼と千億の夜』『怪人二十面相』『メルニボネの剣士』『燃えよ剣』『柳生兵庫介』『リグ・ヴェーダ賛歌』『後宮小説』『帝都物語』『アクアリウムの夜』。『血の本』は「ミッドナイト・ミートトレイン」しか読んでない)
『餓狼伝』と『猫の地球儀』が両方挙がっているとなんとなく正しい気がします。
- 「then-dの50冊」
16冊。
(『銀河鉄道の夜』『檸檬』「女生徒」『李陵・山月記・弟子・名人伝』『夏の葬列』『時間と自己』『成熟と喪失―"母"の崩壊』『意味という病』『メランコリーの水脈』『現代思想の冒険』『構造と力―記号論を超えて』『カラマーゾフの兄弟』『変身』『アウトサイダー』『EVANGELION ORIGINAL』『scenario experiments lain the series』)
- 「夏葉薫の50冊」
15冊。
(『フリッカー式』『バイバイ・エンジェル』『ブラッドジャケット』『ギリシア神話小事典』『世界の中心で愛をさけんだけもの』『涼宮ハルヒの憂鬱』『雨の檻』『幼年期の終わり』『百億の昼と千億の夜』『アトラスの魔道士』『ネガティブハッピー・チェンソーエッヂ』『夏と冬の奏鳴曲』『おおかみ王ロボ』『我が家のお稲荷様。』『動物化するポストモダン』)
『ニューロマンサー』(『マルクスその可能性の中心』も)は挫折組。あとぶっちゃけ、『密閉教室』大好きっ子のくせして『長いお別れ』読んでない俺って正直どうよ? とか。
枯堂夏子に一家言ある、といえなくもないが、こちらは『逆境ナイン』のみ。ああ『漫謡集』買ってないのバレてしまった。あと、わーいパクられちゃった(大喜び)、って言いそびれてたとか。言いたいこと溜まると黙り込むのは僕の悪い癖です。
- 「K=jituzonの50冊(完成版)」
14冊。
(「屋根裏の散歩者」「逃走論」「方舟さくら丸」「現代思想の冒険」「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」「姑獲鳥の夏」「テクストの快楽」「Alice's Adventures in Wonderland」「或る阿呆の一生・歯車」「もの思う葦」「堕落論」「YES・YES・YES」「カラマーゾフの兄弟」「鏡の中の鏡」)
- flurryさんの「ミーの25+25冊」
11冊。
(『ガーンズバック連続体』「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」「1984年」「リア王」「時間と自己」「合成怪物」「はてしない物語」「神秘の島」「西遊記」「どくとるマンボウ航海記」「復活の日」)
- ソマミチさんの「50冊」
18冊。わーい天狗党だ。
(『大日本天狗党絵詞』「酔歩する男」『鉄鼠の檻』『世界は密室でできている』『螺旋の街』『バルタザールの遍歴』『グリーンレクイエム』『怪盗ジバコ』「女生徒」「春と修羅 序」「夢十夜」「河童」『兎の眼』『鏡の中の鏡』『影との戦い』『不思議な少年』『恐るべき子供たち』『文学部唯野教授』)
- いづるさんの「私の50冊」
9冊(ようやくひとケタ)。
(『夏と冬の奏鳴曲』『レヴィナス入門』『ノルウェイの森』『ためらいの倫理学 戦争・性・物語』『もうひとつの夏へ』『ファイト・クラブ』『ぼくの命を救ってくれなかったエヴァへ』『ふたたび赤い悪夢』『虚構の時代の果て』)
「もう50冊+8冊」、は4冊。(『ひとめあなたに…』『放課後』『檸檬』『堕落論』)
- トウカさんの「影響を受けた本50冊」。ターンAガンダム全セリフ集の人ですね。
既読は17冊。
(『人間・この劇的なるもの』『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』『項羽と劉邦』『神狩り』『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』『白鯨』『カラマーゾフの兄弟』『坊っちゃん』『富嶽百景』『メルニボネの皇子』『コミュニケーション不全症候群』『弟子』『男流文学論』『幼年期の終わり』『占星術殺人事件』『夏への扉』『SF&ファンタジー・ガイド』)
ああ、『魔由璃の本棚』! 私は例えば『光車よ、まわれ!』をそれで知ったのでした(似たような人は多いだろうけど)。
「影響を受けた漫画50作」のほうは6冊(通読したもののみカウント)で、『バオー来訪者』『寄生獣』『ベルセルク』『国民クイズ』『炎の転校生』『銃夢』。
こうしていると、どんどん「実は読んでない本」がバレていく気がするねえ。
平野今木の50冊
で、俺を呼んだかい? というわけで揃えてみた。強いていえば、俺が世界と戦うための砂糖菓子の弾丸、あるいはドン・キホーテの面頬。時として、弱虫の泣き虫小僧の不良少年の手*1、とかまあそんなものだと思う。「実弾」なんて言い出したら負け。「どんな個人でも、この世に足跡を残さうと思へば、何等かの意味で自分の生きてゐる社会の協賛を得なければならない。言ひ代へれば社会に負けなければならぬ。社会は常に個人に勝つ。思想史とは社会の個人に対する戦勝史に他ならぬ。」(小林秀雄「Xへの手紙」)
- 法月綸太郎『密閉教室』
- 内田樹『先生はえらい』
- アイザック・アシモフ『ロボットと帝国』
- 谷川流『学校を出よう! Escape from The School!』
- 三浦雅士『自分が死ぬということ』
- 竹田青嗣『世界という背理』
- うえお久光『悪魔のミカタ 魔法カメラ』
- 川又千秋『夢の言葉・言葉の夢』
- 柄谷行人『畏怖する人間』
- 『吉本隆明詩集』(思潮社現代詩文庫。「規劃された時の中で」「固有時との対話」)
- 『小林秀雄初期文芸論集』(何はなくとも「Xへの手紙」)
- 小谷野敦『新編 八犬伝綺想』
- メルヴィル『白鯨』(新潮文庫の田中西二郎訳が好き)
- ジョージ・スタイナー『悲劇の死』
- スーザン・ソンタグ『反解釈』
- ミハイル・バフチン『ドストエフスキーの詩学』
- 山川方夫『夏の葬列』(「煙突」)
- 江藤淳『夏目漱石 決定版』
- G.K.チェスタトン『ブラウン神父の秘密』
- ヴィルヘルム・ハウフ『隊商』
- 小泉八雲『小泉八雲集』
- 呉承恩『西遊記』君島久子訳・瀬川康男画
- 野阿梓『銀河赤道祭』
- 太宰治『晩年』(とくに「魚服記」)
- 早見裕司『水路の夢[ウォーターウェイ]』
- 清水マリコ『ネペンテス』
- 上野俊哉ほか『GUNDAM FIX』(KAZUO ICHIOKIのテクスト)
- 『集英社版日本文学全集37 牧野信一・梶井基次郎集』(牧野信一の本が他に手に入らないので)
- 『中島敦 日本幻想文学集成』(「木乃伊」「牛人」「わが西遊記」)
- K.クロスリイ-ホランド『北欧神話物語』
- マーク・トウェイン『ハックルベリイ・フィンの冒険』
- 保坂和志『書きあぐねている人のための小説入門』
- 梨木香歩『西の魔女が死んだ』
- 笠井潔『機械じかけの夢』
- 霧間誠一『VSイマジネーター』
- 新宮一成『無意識の病理学』(astazapoteの『ONE』論がらみで)
- 谷川俊太郎『夜中に台所でぼくはきみに話しかけたかった』
- 金月龍之介『雫』
- 横溝正史『獄門島』
- 福田恆存『人間・この劇的なるもの』
- 作田啓一ほか『人間学命題集』
- 田中仁彦『ケルト神話と中世騎士物語 「他界」への旅と冒険』(失われたイース、円卓の騎士に姿を変えたケルトの神々)
- 中島梓『小説道場』
- 夏目房之介『手塚治虫はどこにいる』
- 切通理作『怪獣使いと少年』
- 酒井健『バタイユ入門』
- 藤本隆志『ウィトゲンシュタイン』
- 坂口安吾『堕落論』(集英社文庫。「不良少年とキリスト」「文学のふるさと」「桜の森の満開の下」)
- 阿部嘉昭『野島伸司というメディア』
- アラン『幸福論』
本当のところ、読んできた本というのは足跡にも似て、望むと望まざるとに関わらずできていくもの(というのは、「読もうと思った本」と「実際に読んでしまう本は、しばしば一致しないから)ではあるのだけれど。