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内田樹に倣ってもうひとつ書いておけば、『先生はえらい』という本の冒頭に置かれた宣言はむしろタイトルとは逆の《「あなたが『えらい』と思った人、それがあなたの先生である」》だ。例えば『こころ』の「先生」は、彼自身の属性としてはまったく先生でも何でもない(社会的には無職だし人格的にも到底)にもかかわらず、「私」は「先生」として慕う。
キャラクターに「ツンデレ」という属性があらかじめ備わっているわけではなく、あなたがそのように萌えた相手、それがあなたのツンデレである。他の人にはあなたの「ツンデレ」は、ただのワガママなガキ*1でしかないかもしれないし、むさ苦しいおっさん*2でしかないかもしれないし、何やら不良じみた少年*3でしかないかもしれない。しかしその相手が、あなたには紛れもなく、魅惑的なツンと深遠なるデレを備えた相手に見えたわけだ。そこにはあなたの人格特性や好みや偏見が深く関与している。各人の人格特性や好みや偏見の数*4だけツンデレは存在可能である。ツンデレキャラの範疇が無際限に拡張可能*5である理由もそのあたりにある。